28

4月

2009

開会宣言

 たしか、小学3年とか4年ぐらいだったと思います。

 ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』を読み始めて、まあ凄くおもしろくて、なんでそんなとこで読んでいたのかはもう思い出せないのだけど、公園のブランコに座って小説のラスト近くを読んでいました。

 今でも強く記憶に残っているのは、ストーリーでもなんでもなく、読み終えた直後の気持ちです。

「え、終わり?」と。

「あ、そうか、本読んでたんだ」と。

 もちろん当時はちゃんと言葉にはできてなかったけれど、いつの間にか『本を読んでいる』ということ自体を忘れるほど、物語の世界に入り込んでいたんだと思います。

 

 はいどうも、はじめまして。とーると申します。上記のふわふわしたエピソードと同時期にランドセルを忘れて登校し、教室を一周して家に帰った者です。泳げなくて、プールの授業のたんびにみんなが泳いでるのを横目にプール徒歩縦断を決行していた者でもあります。日本中の泳げないみなさん、お元気ですか。落ち込むこともあるけど私は元気です。えと、なんだっけ、あの、『はてしない物語』を初めて読んだときのあの感覚をもう一度味わうことはないと思うんです。

 どんな本を、いつどんな時に、どんな人が読むか。

 その3つの条件で、1冊の本の価値は変わってくるからです。

 だからこのサイト全体を通して、一冊の本を「つまらない」などの言葉で貶めることはしたくありません。その本が大好きだという人の、その本にまつわる記憶まで否定することになると思うからです。私にとっての、『はてしない物語』を読み終えた公園の風景みたいに。

 今後毎週日曜更新で本にまつわったりまつわらなかったりする文章を書いていく予定です。よろしくお願いします。