日
07
6月
2009
ビールって苦いだけだったよね
中学生の一時期、私の学年は「掃除の時間にやる雑巾でのからぶきが速い奴が偉い」という不文律に支配されていました。言うまでもなく、男子の話です。
からぶきが一番速い奴を決めるべく、何度となく廊下や教室でレースは行われ、騒ぎを聞きつけた先生には「俺たちこの学校をもっときれいにしたいんです。この場所はっ、大切な場所だからっ」と高らかに答え、東に病気の子供があればなんかどう対処したらいいかわからずもじもじし、西に疲れた母がいればよくわかんねえからとりあえず自分の部屋に戻り、南に死にそうな人がいれば怖くてたまらなくなり、北に喧嘩している人がいれば仲間を集めて見学にいく、そういう人に私はなりたくない、なりたくはないが中学生だったから仕方なく、ファンタを飲んでごまかして、まあ気づいたらうちの学年には『からぶき四天王』と敬意をもって呼ばれる四人の男が現れるに至っていました。
何より恐ろしいのは私が本気で彼らに憧れていたことで、なんなら家でからぶきの特訓をしていたことです。そうです、ばかだったんです。
『中学生はコーヒー牛乳でテンションがあがる』
最近読んだ本のタイトルです。作者であるコント作家のワクサカソウヘイさんが二年以上にわたり中学生と遊びまくった出来事が書かれています。いますが、おもしろい。ほんっとにおもしろいです。
中学生はおもしろい。なんだか恥ずかしい、という理由で笑ってしまうヨッシーやハルコとナミコの姉妹やコウにモッチャン、Tシャツビリビリーズの面々にとにかくもう会いたくなります。本の真ん中あたりに少しだけ中学生たちの実際の写真が掲載されているんですが、『プライベート運動会』で行進してる写真とか、笑いを通り越してやや感動します。国連の事務所に引き伸ばして貼るべきだと思う。平和って、あの写真みたいなことを言うんじゃないでしょうか。
ですが何より重要なのはやはり作者のワクサカさんの文章力でしょう。おもしろいことを、おもしろく書くこと。それができる人をまた一人見つけられたことが、今は嬉しいです。
そうそう、中学生だった私に伝言を。
あなたは、俺家でも特訓してるし、いつかは四天王の地位までのぼりつめてやる、と勢いこんでいましたね。自宅の廊下でからぶきスピードアップの特訓って、あれ、特訓じゃないから。お手伝いだから。覚えといてください。
