土
08
8月
2009
待ってる
小野不由美さんの十二国記シリーズを読んだのは、本屋の二階でした。住んでいる町にあるその本屋は二階フロアの半分が喫茶店になっていて、買った本や持ち込んだ本を読めるようになっていたんです。
もともとは当時のバイト先にいた女の子に勧められて、そのうえ貸してもらって、という経緯があったんですが、シリーズの始まりである『月の影 影の海』上下巻を読み終えると一階の書店でシリーズ全巻を一気に買い揃えました。
貸してくれた子が「続きはまた貸すね」と言ってくれていたにも関わらずです。というか読み終わった『月の影 影の海』も買いました。正確にいうと、銀行でお金おろしてきて買いました。
また読みたかったからです。
何度も読みたかったからです。
それから一週間ももたずに当時の最新刊である『黄昏の岸 暁の天』までを一気に読み終え、
「次いつでるんでしょうねえー」
と最初に貸してくれた子とバイト中によく話し合ったものです。
八年。
八年経ちました。
いい加減なんとかなりませんか。
書店員として働いていた頃、初めて講談社の営業の方とお会いしたときにも、
「十二国記って、次いつ出るかご存知ですか?」
と聞いて苦笑いされました。確か名刺交換の直後に聞いてたと思います。仕事しろよ。まあそれで、わからないですねえ、みたいなことを言われました。
「こういうひとはさ、ほんと他になんっにもやらなくていいから、小説だけ書いててって思うよね」
『月の影 影の海』を貸してくれた子が言っていたその言葉を、どういうわけかよく覚えています。
小説家の条件ってこういうことなんじゃないかと思うのです。
どこかの誰かに、早く次の小説が読みたい、と願われること。
小説だけ書いてて、と願われること。
それはとてもしあわせな関係だと思いますし、なによりもあの、小野不由美さん、そろそろ続きよろしくお願いします。

