土
28
11月
2009
読んだ本の話
読んだ本のことを書きます。
前田司郎さんの『誰かが手を、握っているような気がしてならない』。
ええと、好きです、この小説。前田司郎さんの小説を読んだのは初めてだし、五反田団の芝居も観たことないんですが、とりあえずこれから、現在出版されてる前田さんの小説をかたっぱしから読むと思います。
「あ、この作者の書くもの好きだ」
って思ったのは、びっくりするほど接点がないけれど、絲山秋子さん以来ですごい久しぶりです。
評論めいたことや分析めいたことはできないんですが、なにがいいかと聞かれたらタイトルに使われている言葉に尽きる気がしています。
「誰かが手を、握っているような気がしてならない」
その予感と、不安と、幸福な錯覚。この言葉を生みだした時点で勝負は決まったようなものだと思います。
実はつい一時間前に読み終わったばかりなんですが、ずっと考えていることがあります。
彼女は、手を握ってもらえていたのだろうか。
誰だっていいのだろう。ともだちでなくても、恋人でなくても、家族でなくても、誰かが手を握ってくれていればいいのだろう。もっと言えば、誰もいなくても、誰かが手を握っているような気がするだけで、そう思えるだけでいいのだろうと思う。
彼は、手を握ってもらえていたのだろうか。
