30

1月

2010

『かいじゅうたちのいるところ』の映画を観にいったこと。

 

 小さい頃のことを、あまりよく覚えてはいません。

 覚えているのは、せいぜい幼稚園に入ってからぐらいでしょうか。ひとと話すのが苦手な子どもだった気がします。一番仲が良かった子とともだちになった理由は、あそぼうと声をかけてくれた、という若干情けないものでした。

 週に一度、幼稚園の給食に出るカレーライスが一番のたのしみでした。きゃべつの千切りがいつもついていたのですが、これをカレーに入れるとおいしい、ということを発見して「大発見なんじゃないか」とすごく興奮していた記憶があります。

 よく泣いていたし、今よりもずっと素直に怒っていたと思います。嫌な気持ちになったときに、うまくそれを表現できなくなったのはもっと大きくなってからでした。

 牛乳が好きでした。

 大きい声のひとが嫌いでした。

 蟻の行列を見かけてはおもむろに殺していました。できれば通報しないでほしいんですが、笑いながら殺していました。遊びのひとつとして「蟻を殺す」っていう選択肢があったように思います。

 毎日が楽しくて、毎日が怖くてしかたなくて、一日に何回かは幼稚園も友達も家族も何もかもが嫌いになっていて。

 つまり、どこにでもいる普通の子どもだったんです。

 『かいじゅうたちのいるところ』の原作の絵本は正直に言って読んだことはあるもののほとんど覚えていなかったんですが、映画館に観にいってよかったと心から思っています。 

 完璧でした。

 主人公の男の子が走るたび、自分が子どもだった頃のことを、いいこともよくないことも全部、思い出せました。とりあえず、DVDが発売されたらすぐに買う。それは確かです。

 

 

かいじゅうたちのいるところ