15

5月

2010

寝袋が欲しいと生まれて初めて心底思いました。

 

 

 金曜の夜に職場で飲み会がありまして、まあ結構飲んだわけなんですけど、そしてなんかもうめんどくさくなったので結論から言うと、酔っ払って財布を落としたんです。

 私、財布、落としたんです。

 気づいたのが渋谷駅で、職場がある新橋駅に落ちていたことが判明したのが十二時三十分。

 ここで皆さんにお知らせです。あのね、お金って大事。覚えといてください。実際カードも定期も全部財布に入れてたから、家にも帰れないし、

「じゃあ、この改札は通っていいですから。もう電車動いてないので外へどうぞ」

って恩着せがましく駅員には厄介払いされるし、もっかい言いますけど、お金ないし、困った。困りました。

 たぶん来年の広辞苑の『途方に暮れる』の項には、あの夜の私の顔写真がはってあると思います。よろしく。

 まあそれでどうしようもないくらい暇だし突っ立ってると寒いしで、とりあえず新橋まで歩き出したんですよ。翌日も仕事でしたから。そのときの予想としては、たぶん始発ぐらいには着くだろうから、それでそのまま新橋駅で財布返してもらおう、って魂胆でして。

 はい。

 ここで皆さんに二度目のお知らせです。

  あのね、渋谷駅から新橋駅まで、一時間半で着いちゃいます。一時に歩き出して二時半には着いてましたから。渋谷駅から新橋駅までの距離がどんなものなのか 想像もつかねえよバカ殺すぞ、って方へのフォローは特にありません。ありませんので、なんか遠いんだねえと思っといてください。

 それで駅が開く始発の時間まで無一文の三十男がなにをしてたかって言うと、途方に暮れてました。

 途方に、暮れましたとさ。めでたくないめでたくない。

 

 

 

 

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